CHARLIE'S 23
「誰かしら?今夜はお客様が多いわねぇ」
ミウがドアを開けると白いプードルが倒れていた。
「ど、どうしたの?!大丈夫!?」
「すみません・・・何か・・・何か食べ物はありませんか・・・」
「まぁ・・・待ってなさい。今、パンを持ってくるわ」
ミウは奥の押入れからパンを一切れ咥えて来ると、プードルの鼻先に置いた。
プードルは頭をもたげ、一気に食べてしまった。
「もう一枚必要ね・・・待ってなさい・・・それから・・お水・・・」
「水は俺が運ぼう・・・」
「あ、パパ・・・お願い」
プードルは二切れ目のパンもあっという間に食べてしまった。余程、腹が減っていたのだろう・・・水を飲んで、ようやく息を吹き返した。
「ふぅ・・・ありがとう・・・」
「貴方も・・・捨てられたの?」
「・・・・はい。ブルックリンに連れて行かれて・・・置いてきぼりに・・・」
「じゃあ、ブルックリンから歩いて?」
「はい。まる一日歩きました」
作品名:CHARLIE'S 23 作家名:つゆかわはじめ