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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「夢の中へ」 第二話

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「この辺りは聞き及んでおろうが、10年前に激しい戦が起こって多くの武将やその身内が死んだ、いや殺された。中には女子や子供も容赦なく首を切られたという。逃げ延びた者も自分の命が危ういのか子供や女房を置き去りにしたものも多かったとか、聞く。悲しいことじゃが修羅場であったゆえせんなかろう・・・」

「桶狭間の合戦ですね。話には聞いております。藤次郎さんはそのときにあなた様に救われたのでしたね?」

「そうじゃ。親と離れ離れになりうろついているところをわしが見つけて今住んでおる納屋に匿もうたんじゃ。雨が激しく降っておったので、同士討ちにもなり悲惨な結果になってしもうたが、不思議にわしの家の前に逃げてきた藤次郎を抱えて、納屋に向かった。わしの家では詮索が始まると見つかってしまうと思うたんじゃ」

「納屋は安全だと思われたのですね?」

「あそこは人が住んでいるところではなかったので気付かれまいと思ったんだが、怪我をした織田方の武将が休みに来た時はちょっと気付かれるかと
奥で息を殺しておったが、勝鬨の声がして痛い足を引きずりながらすぐに出て行ってくれたから助かったわい」

「義元さまが討たれたのでございましょうか?」

「そうだったのかも知れん・・・翌朝には決着が付いておったからきっとそうだったのだろう。半数ほどの兵は駿河に引き上げ、ここらへん一帯に今川方の屍が散乱しておったわい」

まどかは次郎左の話を聞いて、偶然にも助けられた藤次郎のことが自分との出会いに係わっているのではないだろうかとそう考えた。