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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「夢の中へ」 第二話

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「えらいぞ!藤次郎は果報者じゃ。このように美しくて気立ての良い女子に嫁に来てもらえるとはなあ。明日両親の墓前に報告しに向われよ」

「明日ですか?駿河は・・・遠いですよ」

「わしが仲人じゃよってに付き添ってやろう」

「それほどまでに・・・まどか、本当に俺でいいのか?」

「はい。これも運命かと・・・察しています」

「ほう、運命とな!しかしてどのような運命と思われておるのじゃ?」

主は二人のこれから巻き込まれる苦難を予測しているかのように真面目な顔付きでそう言った。

「はい、庄屋様。わたしの夢枕に立った武将が申しておりました。敵を討ってくれと。全てはこちらに来てから話すと言われて参りましたが、その方とは未だ会えずにございます。目が覚めたら藤次郎様のお世話になることになってしまいました。
わたしと藤次郎様はきっとその武将の言う敵討ちのための縁なのかと考えております」

「まどかさん、わしの名前は鳴海次郎左衛門(なるみじろうざえもん)と申す。次郎左と読んでくだされ。夢枕に武将が立たれたというのじゃな?」

「はい、次郎左さま。5つほどの男の子を連れてこの子が成仏できないと申されていました」

「5つぐらいの男の子、それに武将、敵討ちと・・・か」

「はいそうでございます」

次郎左は腕を組んで考え事をしていた。

「何故まどかさんの枕元に立ったのかが問題じゃな・・・」

「そのことばかり考えております」

「そうじゃろう。藤次郎のところへ連れてこられてそのまま姿を現さぬとは困ったものよのう」

「はい、その通りでございます」