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チ〇コを出す

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そう考えると、どうやら相当危険な状況のようだった。しかし、試練は、乗り越えてこその試練、ここでやめようというつもりもない。とは言え、博の立てた作戦は視線を逸らせるという作戦ばかりだった。視線逸らしが危険な今、別の方法を考えるしかない。残り時間もどんどん減っていく。由美はかかってきた電話を終えた。その時―――博に一つのアイディアが浮かんだ。突破口―――リスクはあるが、この方法ならば、見られずにチ○コを出せるはずだ。
 通話を終えた由美は無言で博を見つめた。自分からは何も言わないつもりだった。次に相手がどう出てくるのかを待つ。どうせ、視線を逸らそうとしてくるに違いないと思った。それは分かりきっている。であれば、注意を逸らされたフリをして、タイミングよく振り返ればいい。そんなことを考えていた次の瞬間、なんと由美は博に抱きつかれていた。
「由美さん!」
 溢れる思いを抑え切れないという感じで、博は由美に抱きついた。
「ちょ・・・ちょっと、何!博君はなして!」
 しまった、と由美は思った。抱きつかれていて、博の股間が、見れない。絶対に、今、出しているに決まっているのに。由美は必死でもがいた。もがいてもがいたが、そこは男の力には敵うべくもなく、腕もしっかり押さえられているため、股間をつかんでやることもできない。
「博君なんなの!はなして!はなして!」
 そうしている間に博は心の中で3秒をカウントし、由美を解放する瞬間、ジャージのズボンをあげた。4回目、ミッションコンプリート。

最終ラウンド 残り露出回数1回 残り時間3分

「ご、ごめん・・・。由美さん・・・。僕、僕は由美さんのことが好きだから、自分を抑えられなくて・・・」
 ついに恋の告白をした博を、由美は睨みつけた。そんな上辺だけの言葉はどうでもいい。あなた、まさかこれで逃げる気?これでやめる気?もう一度、やってみなさい。今度こそ現場を押さえてあげる。由美の視線を受けて、博は思う。ああ、やめないさ。最初から僕は5回やろうと決めていたんだ。やってやる。あと1回、必ず成功させてやる。二人は睨み合った。由美は構えた。さっきは、まさか抱きつかれるとは思っていなかったから、抱きつかれてしまった。けれど、今度はそうはいかない。警戒していれば、そう簡単に抱きつかせるなんてことはしない。
 一方博は焦っていた。もう抱きつきは使えない。視線逸らしも通じないだろう。迫る時間。後1回をクリアするアイディアがどうしても浮かばない。どうすれば、どうすれば。睨み合ったまま時間は過ぎる。残り時間後1分―――その時。
「きゃあああ!」
 由美が突然、博に背を向けて一目散に逃げ出した。見ると、博の所に、公園に来たときにパンを与えた犬が駆け寄って来ていた。またパンをねだりに来たのか、それとも、パンを与えたおかげで犬が博のことを慕ってくれたから来たのか、理由は分からない。一つだけ分かったことは、由美は犬が大の苦手だということだ。博は由美の方向めがけて、思いっきりチ○コを露出した。ゆとりを持って3秒数えることができた。これで、由美に見られることなくチ○コを5回出すという試練を、博は見事クリアしたのだった。5回目、ミッションコンプリート。

エピローグ

 そして犬を追い払うと、改めて博と由美は公園で向かい合った。博は勝者の余裕の笑顔、由美は敗者の屈辱の表情を浮かべていた。無言でお互いを見つめた後「じゃあ、そろそろ帰ろうか」博は言った。その時。
「あなた達」
 博達に見知らぬ男が声をかけてきた。何だ、一体。
「二人とも、一緒に交番に行こう」
 男は言った。
「いきなり何を言っているんですか」
 意味が分からなかった。男は博に向かって言う。
「おまえな、その子に向かって下半身を露出していただろ。それは立派な犯罪なんだよ。そんなことをされる相手の気持ちを考えたことがあるのか」
 博は顔から血のけが引いていくのが分かった。それでも言い返す。
「そ・・・そんなことしてませんよ!ひどい言いがかりだ!」
 博は思った、しらを切りとおせば大丈夫なはずだ。博が完全に否定した後も、男は動じるそぶりも見せなかった。
「おまえも、1回か2回でやめておけば、証拠が残ることなんてなかったんだ」
 と、男は言った。証拠、なんのことだ。さらに男は言葉を続ける。
「1回見た時は驚いたよ。でも言ってもしらを切られて終わりだと思ったから声をかけなかった。2回目を見た時は、コイツはまだやるつもりだなと確信したよ。だから、シャッターをかまえて待ってたんだ。そしたら案の定、おまえは3回どころか、4回、5回と続けて下半身を露出した。全部写真に撮ったよ」
 そう言うと、男は博と由美に向けて、デジカメの写真を見せた。そこには恍惚の表情で性器を露出する博の姿がしっかりと写っていた。
「さあ、二人とも、交番に行こう」
 博は思った。由美には当然身元も知られているので、逃げても無駄だなと。なので抵抗もしなかった。更に博は思い出す、この試練において自分に課したルールを。露出しているところを由美に決して見られてはならない、というルールを課していた。が、今まさに、写真で由美に見られてしまった。
 法的にも、自分で決めたルール的にも、博は完全に敗北した。



作品名:チ〇コを出す 作家名:ゆう