小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

チ〇コを出す

INDEX|1ページ/3ページ|

次のページ
 
チ〇コを出す

 今井博はこれからチ○コを出すことを決意した。いやちょっと待って、いきなり読むのやめないでよ。ブラウザの×ボタンを押して閉じないで。まあ聞いて。彼はクラスメイトの大野由美の前で、チ○コを出す決意をしたのだった。いやだから、もう少し読んでみてくださいお願いします。博は別に変態というわけではない。女性の前で性器を露出することにより、性的な興奮を得るという人種は存在するらしい。存在はするらしいが、彼はそんな変態ではないのだ。彼の決意にはもっと別の理由がある。
 そもそも、人間はどういう時に人として成長するのだろうか。色々考えられるが、そのうちの一つは、困難を乗り越えた時ではないだろうか。「若い時の苦労は買ってでもしろ」という諺もある。受験、就職、あるいは恋愛などもそうかも知れない、そういった人生の困難にぶつかった時に、逃げずに立ち向かう人こそが、成長するのである。
 そういった意味で、博の「チ○コを出す」という決意は、自分に課した試練であった。クラスの女子の前でそんなことをすれば、自身の名誉は傷つき、進学や就職に悪影響を及ぼすかもしれない。いや、最悪の場合は警察に捕まることもありうる。だが、博は思う。そういった困難、試練から逃げずに立ち向かうことにより、立派な大人になれるのではないか。ここに、博の挑戦が始まった。
 博はこの試練に挑戦する上で、自分に三つのルールを課した。
その1 チ○コを出しているところを決して大野由美に見られてはならない
その2 大野由美に自分の体の正面を向けてチ○コを出さなければならない(すなわち、後ろを向いて出したりするのは駄目ということだ。そんなセーフティなことをしても、それは試練とは呼べない)
その3 大野由美との対面から10分以内に、5回チ○コを出さなければならない。なお、3秒以上の露出でなければ1回にカウントされない。(一秒にも満たない一瞬出した所で、あるいはたったの1回出したところで、そんなものはセーフティであって試練とは呼べない)
 博は以上のルールを自分に課した上で、由美に電話をかけ、公園に呼び出した。由美と博はクラスでもさほど仲のよい関係ではない。むしろ博は女子とは普段めったに口も聞かないような存在だったため、公園への呼び出しは嫌がられたが、大事な話があるからどうしても来て欲しいと懇願し、なんとか約束を取り付けたのである。相手は恋の告白とでも思ってくれたのであろうか。

木曜 PM5 某県大森公園
第1ラウンド 残り露出回数5回 制限時間10分

 博は公園の中央で由美を待っていた。待っている間に、途中のコンビニで買っておいた菓子パンをほおばる。腹が減っては戦はできぬと思いパンを買ってきたのだが、これからの挑戦を思うと緊張し、食欲が出なかった。仕方なく、公園でリードもつけずに自由に遊びまわっている犬に、飼い主の目を盗んでパンを与えた。
 ちなみに、博の格好はジャージだった。ジャージを選んだ理由はもちろん出しやすさにある。ベルトとチャックのついたようなズボンでは、露出までに時間を要するが、ジャージであれば、ズボンの腰周りの部分をつかんで、思い切り下にさげれば1秒もかからず露出することができる。そして、約束の時間の17時ちょうど、ついに由美が来た。ここから試練スタート、制限時間は10分だ。

 由美は公園に到着すると、すぐに博を見つけた。普段ほとんど話すことのないクラスメイトの呼び出しに、正直戸惑っている。大事な話って、やっぱりあれかな。恋の、告白。由美は以前は彼氏がいたが、それは勇気を出して自分から告白した結果、付き合うことになったのだった。男子から告白された経験は、まだない。ついに自分にもその日が来たのかと想像し、由美は期待に胸を高鳴らせた。別に好みの男でなくとも、好かれれば悪い気はしない。それにしても、と思う。よりにもよって、なぜ彼はジャージで来ているのか。告白する時くらい、頑張っておしゃれをするものじゃないのか。
「お待たせ博君、待った?」
「いや、大丈夫」
「話って、何?」
「いや・・・」
 いや、と言ったきり、博は黙ってしまった。告白したことがある由美には、黙る気持ちも理解できた。告白にはとても勇気がいる。簡単には、言えない。由美はいつまでも待ってあげるつもりだった。それが彼女の女の子の優しさだった。そしてしばらくの沈黙が続いた後、ついに博が口を開いた。
「あの、由美さん、お願いがあるんだけど・・・」
「え・・・。何・・・?」
「少しの間、僕が『いいよ』って言うまで、目を閉じていてくれないか?」
 目を閉じる?もしかしてキスするつもりなのだろうか?告白もされてないのに。それはさすがに強引すぎるのではないか。由美は返答できずに押黙った。
「あ・・ああもちろん、変なことをするつもりなんてないよ。それは約束する。これから僕が言う事は、面と向かって言うのは恥ずかしい事だから・・・。だから、できれば目をつむってて欲しいなって」
 押黙った由美を見て、誤解された事に気づき言い訳した。そっか、と、由美は納得した。相手に見つめられたまま告白するのは、確かに恥ずかしい。そんな気持ちも、よく理解できた。由美は「分かったよ、でも絶対変なことしないでね」と冗談めかして言い、そして目を閉じた。
 それは、博にとってみれば計画通りのことだったのだが。先ずは由美に目をつぶらせることに成功した。順調だった。由美がしっかりと目を閉じていることを確認すると、博は思った。結構かわいいな、と。そして博はジャージの腰の部分に手をかけ、ぐいっと下にひっぱった。この時のために下着はつけていない。ついに下半身を露出した。緊張と興奮、そして由美が結構かわいいという思い、それらがない交ぜになり、彼の息子は少し元気になっていた。1、2、3、心の中でゆっくりと三秒数えると、素早くチ○コをしまった。1回目、ミッションコンプリート。

第2ラウンド 残り露出回数4回 残り時間8分

 チ○コをしまった後も、博は極度の緊張と興奮から、口を聞けずにいた。それはそうだ、もし見られたら、彼の学校生活は、終わる。変態との烙印を押され、女子と口を聞く事はもはやできなくなるだろう。男子からも無視される可能性はある。露骨に変なあだ名をつけられ、卒業後も伝説になってしまうのだ。そう考えると、博は足ががくがくと震えた。いっそやめてしまおうか。いや駄目だ。僕は、困難から途中で逃げ出す人間にだけは、なりたくない。
「目を開けていいよ」
 やっとの思いで、博は口を開いた。目を開けた由美の頭の中にあるのはクエスチョンマークだけである。自分は何もされてないし、何も言われていない。なのになぜ目を開けていいと言うのか。何のために目を閉じさせられたのか。
「え・・・まだ、何も聞いてないけど。何のために目を閉じさせたの?」
 当然の疑問だ。
「いや、やっぱり、目を閉じたまま言うなんて、卑怯だと思って。きちんと、面と向き合って、目を見て言わなきゃって、思ったんだ」
作品名:チ〇コを出す 作家名:ゆう