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てっしゅう
てっしゅう
novelistID. 29231
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「夢の中へ」 第一話

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「織田信長に殺されたの?いつ、どこで」

「この山の向こう側一帯で信長が攻めて来たんだよ。仙人塚の下に鎌倉街道があるだろう。俺は今川義元公とともに親に連れられて駿河から付いてきた。父親は身辺警護の馬廻り役だったんだ」

「桶狭間の戦いね」

「知っているじゃないか!思い出したのか?」

「ううん、歴史の勉強で習っただけ」

「歴史の勉強?何だそれ」

「学校で教えてもらったということ」

「学校?お前俺の知らないことばかり言うな。不思議な奴だ・・・」

「ここに来る前に、夢に現れた武将に、子供の敵を討って欲しいと聞かされたの。詳しくは来たら話すって・・・」

「そんな事があったのか・・・夢で会った武将か。誰のことだろう?格好は覚えているか?」

「顔は良く見えなかったから解らないけど、小さい子供・・・5歳ぐらいかなあ、連れていたよ。両親とともに殺されて魂が彷徨っているから救って欲しいと頼まれてきたの」

「お前に救って欲しいと?」

「出来る訳ないって言ったんだけど、女にしか出来ないって念押されたの」

「不思議なことがあるものだなあ。そいつはお前に何を託したかったんだろう?気付いたことはないのか?」

「うん、来たら話すって言われていたから」

「そうか・・・じゃあそのうち現れるって言うことだな。それまでここに居ろよ」

「邪魔にならない?」

「おっ!可愛い事いうじゃないか・・・良く見るとまどかは・・・美人だな」

「藤次郎さん・・・恥ずかしい・・・そんなに見ないで」

まどかは恐怖心を消すためにも目の前に居る藤次郎と仲良くしてゆかなければと思い始めていた。