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海野ごはん
海野ごはん
novelistID. 29750
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あなたとロマンス

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その日の午後6時に僕は彼女と待ち合わせをして、古着屋に行った。アロハを中心にお互い5枚づつぐらい買った。

「ここってアロハがいっぱい。穴場かも」

「だろ!お気に入りなんだ」

「なんだか気分はハワイね。どうこれ?」

彼女の差し出したアロハは水着の女性が踊っているハッピィーなデザインだった。

「僕のもフラダンス柄だ。ほら、これ」

黒っぽいベースに南洋植物がデザインされ、派手なオレンジ色の裾に水着のダンサーがフラをしている、いつもの派手派手パターンなアロハを見せた。

「やっぱり目立つのが好きなんですね」

「アロハシャツは明るいのがいいし、着てると楽しくなるからね」

僕達はそれからハワイ気分ついでにロコモコのお店に行くことにした。

ビールをお互い二杯づつ飲み、サーフィンや友達の事を話し合った。時間はまだ9時を過ぎたばかりだった。

「自宅は近いの?」

「ここからだと地下鉄で15分くらいかな」

「じゃ、休憩させて・・・。時間まだまだあるんだもん。睡眠不足でもうダウン・・」

「えっ、男一人の汚い部屋だぞ」

「いいの、いいの。でも襲わないでね」

「まぁ・・・いいんだけど・・なんだか恥ずかしいな」

「恥ずかしいこと考えるからよ・・ふふっ、平気平気!」

「大胆な女だな」

「そう直感と大胆で生きてんの。さっ、行こっ!」

それから僕達は地下鉄に乗り、考えもしなかった僕の部屋で二人過ごすこととなった。

そして彼女は部屋に入るなりソファーに横になり「ちょっと寝るからね」と言って本当に寝息を立て始めた。

まだ出会って24時間も経ってないのに、すでに彼女は長年の知り合いか恋人のようだ。

人生ってそんなもんだろう。曲がり角を曲がると、そこは別な角度の世界が広がる。

それを受け入れるかどうかは気分次第というわけで、受け入れれば新しい次元が広がりアロハとなるわけだ。

寝入った彼女の横で、水着の跡が残る日に焼けた肌を見ながら僕は缶ビールを開けた。

それから彼女の薬指に指輪の跡の白いわっかを発見した。

なんだか危ない夜になりそうだと僕は思った。

TVではオリンピックが続いていた。     



love again・・・


作品名:あなたとロマンス 作家名:海野ごはん