あなたとロマンス
3時間は飲んだろうか、カウンターにはいくつもの空のグラスが並んでいた。
彼女が「今日は何杯飲めるか数えるから、そのまま目の前に置いておいてください」とバーテンダーに頼んだのだ。
僕のカクテルグラス、彼女のワイングラス、ショットグラスと両手の指の数ほどのグラスが並んだ。
「どうする、今夜はここに泊まる?」僕は彼女に聞いた。
「もうエッチなんだから、やりたいの?」
「そんなキャバ嬢みたいな言い方やめてくれ」
「あら、キャバ嬢ってこんな言い方するの。知ってるの?」
「さあ、よくは知らないけどそんな感じだ」
「いいわよ。泊まってあげる、だけど真っ暗にしてね」
「なんで?真っ暗にしたら君が見えないじゃないか」
「今日はそのつもりじゃなかったから下着を見せたくないの」
「脱げばいいじゃないか、どうせ」
「ほら、やりたいんでしょ」彼女は笑った。
「灯りはキャンドルにすればいいんだな」僕は言った。
「うん、それならムードあるわ」
僕は携帯を取り出してネットのGoogleの中から、綺麗な炎のキャンドルの写真を取り出した。
「ほら、じゃここにあるから、これで君は脱いだらいい」
僕は彼女に携帯の中のキャンドルを見せた。
「あなたの携帯ってドラえもんのポケットなのね」
「お気に召しましたか、キャバ嬢様・・・」
「気にいったわ」
僕達二人はずらりと並んだグラスのカウンターを離れ、そのままチェックインした。
夜はまた始まりそうだった。
Love again....