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ぼたん

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翌日、私用で少し疲れていた私は、夜までパソコンを立ち上げていなかった。
どなたかの短編を読んで寝るつもりで画面を開いた。
『メッセージ』が届いたとのコメントが画面上にあった。
私は、僅か、そう、ほんの僅かだったがマウスを握りうな垂れた。
(あの人からだろうか… なんと書いてあるだろう… )
画面に視線を戻し、マウスを押した。
その人のHN。『件名』―こんばんは―
何故だか、『日付』も確認した。
送信をしたのに ほかっておいたと思われるのもなんだか嫌だった。
「良かった。24分前だ」
まずは、私の作品への感想が書かれてあった。
「穏やかです」とか「素敵です」という言葉が並んでいる。
作品じゃなく、私自身への言葉として用いられていればもっと嬉しいのにと思いつつ、
その文章を読み進めていった。

――あの文章は作品ですか?――

――作品ならば「このような言葉をかけて頂いたらきっと想いが繋がるでしょう」と
コメントするでしょう――

――もしも(私の自過剰ですが)私への想いであるならば、お答えをしなくては――

――社交辞令も、きっと会わない人だから適当に言葉を作ることもできますね。
どう取るかはあなたが決めること。私の言葉でしか書けません。いいですか?――
作品名:ぼたん 作家名:甜茶