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ぼたん

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一作のつもりだったが誰かが読んでくれるのが嬉しかった。
コメントなどおこがましく感じつつも記入があればほくそ笑んだ。
書き込みがなくてもアクセスがあるだけで喜んだ。

そして今も 私の投稿は続いている。
作品を出すたび、『感想のコメント』にその人のHNを見つける。
ときに作品の補足であったり、気ままな返事であったりと言葉の投げかけが戻るのが 
楽しくなった。

ときどき『メッセージを送る』も利用した。
コメント欄だけでは伝えきれない感想を書き綴った。
返事も丁寧に戻って来た。
何度も何度も『Re』が行き交う日もあった。

ある日、その人の作品を読んでその人への興味が生まれた。
創作であるようにもエッセイのようにも思える作品だった。
私は、その中の人物が自分のことではないかと考えてしまったのだ。
胸がときめいた。もっと違う言葉で言ってくれないだろうか。真意は……。と・・・
『メッセージを送る』を利用した。
いつものコメントの続きではない。
私の気持ちをそのまま書いて送信してしまった。まさに「してしまった」という思い。
いまさら私が削除しようとも、もうその人の元にこの文は届いてしまっているだろう。
―あ、気にしないでくださいね―と追信を入れようか、それとも判決を待つかのように
返事がくるのを待とうか。
結局、その日のうちに返事は来なかった。
ほっとしたような、恥ずかしいような、寂しいような、少し不満だった。
作品名:ぼたん 作家名:甜茶