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ぼたん

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そのあと、その人の作品に戻り、もう一度読んだ。
すると、『感想のコメント』という欄に他に読まれた方のコメントが記入されていた。
(あ、読んだことを伝えられるんだ)
急にその人を近くに感じることができた。
思ったままを入力した。硬すぎるコメントに消し始めた。
「あっ!」
途中まで消して『送信』されてしまった。

――まったくこれはおも――

(しまった!)
――まったくこれはおもしろくない……
――まったくこれはおもってもみなかった展開でした。楽しかったです。
(さあ、どちらに取られるだろう?)

すると、暫くして『メッセージ』が届いた。

――コメ、途中ですね。『削除』ができます。思ったコメントを頂けたら嬉しいです――

なんておおらかな人なんだろうと私は感じた。
そして、きちんと感想のコメントをし直した。
その人からもお礼のコメントが届いた。
私は、不慣れなことをとがめず、優しく迎え入れて貰えたことに少なからず感動していた。
作品名:ぼたん 作家名:甜茶