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最後の魔法使い 第七章 『覚悟』

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「ああ。」
「それを何に使うかは俺が決めます。」アレンは言って、ぶつぶつと呪文を唱え始めた。『フォール』だ。一瞬で滝を作れるこの古代魔法で、まずはこの辺り一帯の火を消すつもりだった。そして…うまくいくかわからなかったが、アレンにはある考えがあった。呪文をすっかり唱えてしまった瞬間、大量の水がどこからともなく降り注いだ。
「うわっ!!!!!!!!」
「なんだ?!!」
突然押し寄せた水に、兵士たちはあわてている。間一髪で溺れる者もいた。だが、その光景を見ても、ウェズナー将軍は冷静だった。むしろ、にんまりと笑みすら浮かべていた。アレンには彼の思考が手に取るように分かった。魔法使いはここにいるのだと、将軍は分かったのだ。
「はははははは!!」将軍は狂ったように笑い出した。「やつはまだここにいる…自分から尻尾を出してきやがったか!」
一か八か、やるしかない。アレンはすぐに次の呪文を唱えだした。
「まさかその呪文は…」ジュダが信じられない、という風に頭を抱えた。アレンが唱えていたのは、『沈黙の木』だ。古代魔法を2つ連続使うということは、それだけ失敗するリスクも高いということだ。『フォール』は一時的なものだし、いつ途切れてしまうかわからなかった。兵士と将軍が眼の色を変えて自分たちを探している今、失敗は許されないのだ。とにかく落ち着いて、間違えずに呪文を唱えなければ。