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最後の魔法使い 第七章 『覚悟』

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 ドラゴンの鳴き声が、さっきより近くに聞こえた。兵士たちはジュダの家の前まで来ると、整列した。兵士たちの行進が終わったところで、将軍は兵隊に向き直って、声を張り上げた。
「いいか、ここに憎らしい魔法使いがいる!この辺りを焼いても文句を言うやつはいないだろうが…何としてでも捕まえるんだぞ!」
「はっ!!」兵士たちは声をそろえて敬礼した。
「ここの住民はどうします?」先にいた歩兵の一人が将軍に近寄って尋ねた。
将軍は、ふん、と鼻を鳴らした。「構わん。焼いておけ。魔法使いも、自分をかくまってくれるやつらがいなくなれば、あきらめて出てくる気にもなるだろう。」
一列に並んだ兵士たちは、それぞれ手に大小様々な炎をともした。やつらは本気だ、とアレンは感じ取った。脅しなんかじゃない。ここがロウアーサウスだとか、住宅街だとか、そんなのは関係ないのだ。魔法使いと魔法使いに関係する人はみんな殺してしまうつもりなんだ!
「行け!」
将軍の掛け声とともに、兵士たちは一斉に炎を放った。ジュダの家はあっという間に炎に包まれた。アレンは自分の目が信じられなかった。ジュダの家がこうこうと燃えていく。その光景は地獄のようだった。アレンはジュダのほうを向けなかった。こんなことになったのは、すべて自分のせいなんだと、アレンはいてもたってもいられなくなった。その場はすぐに耐えがたいほどに熱くなったが、逃げようにも、足が動かなかった。3人は根が生えたようにその場から少しも動かなかった。
「魔法使いはいたか?」将軍が兵士の一人に聞いた。