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最後の魔法使い 第七章 『覚悟』

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「この家であります、ウェズナー将軍。」
 歩兵の一人が、仕立てのいい軍服に身を包んだ男に言った。アレンは茂みからこっそり顔を出して政府軍の様子を盗み見た。ウェズナー将軍と呼ばれた40歳くらいの小柄な男は、歩兵クラスの兵士を3人ばかり連れていた。将軍たちは、3人が隠れている茂みから少し離れたところ、つまりジュダの家の前で立ち止まっていた。
「間違いないんだな?」
「ええ。」
「ふん、憎らしいガキめ、今度こそとっ捕まえてやる。」将軍は整えられた口髭をゆっくりとなぞり、にやりといやな笑みを浮かべた。前回の失敗もあって、意気込みが違うのだろう。あたり一帯は不気味なくらい静かえっていた。一気に攻撃を仕掛けてくるだろうとアレンは考えていたのだが、ウェズナー将軍率いる部隊はいやに小さく、慎重だった。4人はただそこに立っているだけだ。
「どうする、今なら逃げれるかもしれねぇぞ。」同じことを考えていたのか、ディディーがひそひそと耳打ちした。「相手さんはこっちに気が付いてねぇみたいだし。」
アレンはうなずいた。「うまくいけば、3人とも見つからずにここから逃げられるかもしれない。」
 だが、ジュダだけは神妙な面持ちで、首を横に振った。「見てごらん。」
アレンは、あ、と声を出しそうになった。何十人もの兵士がぞろぞろと集まってきていた。