Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(2)
未知流は、前に誘われたときの胸中を、怒声とともに口から吐き出す。そして、
「それに……このままだと、あんたも嫌われるんだぞ!! 大切なものを失ってまであたしに関わる必要なんてねぇんだ! あたしは……あたしは……、」
涙で潤んだ瞳で、それでも鋭い刃物のような目つきでネオを見つめ、
「こういう役目は……あたしだけでいいんだ!!!!」
「未知流!」
ガタガタッ! と周囲の机を横に払いながら、未知流は全速力で駆け抜け、その場を去った。
これでいいんだ。これで。
自分の視界に学生たちを入れずに、夢中になって走った。下駄箱で靴を履いた瞬間、陸上部もびっくりするくらいの猛ダッシュで。学生たちの姿を視たところで、自分のことを嫌い、「また逃げた」と嗤われるだけだ。
だってしょうがないじゃないか! 自分をこれ以上傷つけずにするためには、『学生たちに関わらずに平穏に生きる』――しか方法がないのだから。ヤツらが関わらない『ルール』を決めたのであれば、こっちもそうするしかないじゃないか!
それをあいつは――ネオは破ろうとした。本当に大したヤツだ、とも思う。だが……自分の都合に巻き込むわけにはいかない。未知流はそれが許せなかった。友達関係なく、自分のせいで他人が巻き込まれることだけは。
作品名:Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(2) 作家名:永山あゆむ