Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(2)
これがなんの意味を示すのか分からず、未知流はきょとんとした顔で彼女の手を見やる。
理解できぬと固まったその形相に、ネオは業を煮やして、
「あ・く・しゅ! 仲直りと友情の握手でしょ! それくらい分かってよ、もう!」
ネオは顔を赤らめて、ムッとした表情で口を尖らす。
「あ、ああ、そのための手ね」
「そうよ! まるでわたしがバカみたい見えるじゃない」
「そうだね、ごめん」
未知流は手を出して、ネオの手を握る。
「いいね。こういうのって」
「うん。ありがとう、麻倉……さん」
「ネオでいいって」
「うん……ネオ」
そして、二人はお互いに抱き合った。未知流は初めて、『優しさ』という名のぬくもりを感じた。
話すことは、無駄ではなかった――いや、もう無駄だと諦めていたのだと思う。自分を理解してくれる者は、誰もいないと思ったから。
その可能性をネオは――あたしを救ってくれた。
作品名:Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(2) 作家名:永山あゆむ