Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(2)
不思議そうにネオは訊ねる。
未知流は静かに立ち上がり、黙ったまま座ったままのネオを見つめる。
ややあって、
「……つまり、あんたといると悩みが全部吹っ飛ぶって話よ」
未知流は薄く微笑んで見せた。
他人に見せる最大限の笑顔だ。久しぶり過ぎて出し方を忘れてしまったから、これが限界だ。さっきの爆笑のように素を見せたいが、見せると思うと……というところもあるし、これ以上無理に作り込んだら、顔がぐちゃぐちゃに整形してしまいそうだ。
とにかく、コイツだけには見せてあげたいと思った。ツンツンとした『お嬢様』ではない、『本当の姿』を。
心の底から、あたしのことを信じようとしているコイツだけには。
この姿は、麻倉への信頼の証だ。
「なんだ、やればできるじゃない」
ネオも薄く微笑みを返し、立ち上がる。
「じゃあ、はい!」
唐突にネオは右手を差し出す。
「え?」
作品名:Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(2) 作家名:永山あゆむ