Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(2)
ネオの言葉の一つ一つが、未知流の心に流れてくる。内に秘めた真っ暗な心の空間に、光が照らし始める。
彼女のやわらかい手が、今度はそっと右肩に置かれ、
「他人に左右される必要なんてない。自分のやりたいことをしてもいいの。自分の気持ちに正直になっても、いいんだよ」
ふふ、と穏やかな微笑みを浮かべ、二つの目から雫が転がる。
――そうか。そうだったんだ。
あのとき、急いで跨線橋を駆け上がったあの気持ちは、単なるクラスメイトだから……ではなかった。それに、昼休みに話しかけ、バンドを組もうと誘われ、心が嵐のように揺さぶられたあの気持ち……本当は、嬉しかった。
だけど嫌われすぎて、『唯一の味方』となってくれた麻倉にも拒絶されたらと思うと……恐ろしくて素直になることができなかった。
嫌われることに心と身体が慣れて、周りに閉ざしてばかりだった。言わなければ、自分のことは理解されないのだ。誤解や偏見も消えるわけがない。永遠に螺旋を描くだけだ。
そのことが、ようやく分かった。
ようやくだ。
しかし、ようやくすぎて、
作品名:Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(2) 作家名:永山あゆむ