Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(2)
この現実が、未来になっても変わることなんて、ない。
そんなヤツは、空想でしか存在しない。
いっそこのまま涙に溺れて、永遠に目を閉じた方が……。
そう、思った――。
「なんで……気づかないのよ……」
頭上で、水玉が弾じけるのを感じる。
「え」
未知流は、ゆっくりと絶望に打ちひしがれた顔を上げる。ひっく……と鼻声を震わせ、再び涙ぐんでいる麻倉音緒がそこにいた。涙が額に当たる。
「わたしが、いる、でしょ……!」
ん! と涙を零しながら、風船のように頬を膨らませ、ネオは自分に向かって人差し指をさす。
「わたしが、未知流のはじめてになってあげるから! あんたの、明るい部分だとか、面白いところとか、勇敢なところとか、心が優しいところとか……見た目で分かんないところを、全部、ぜんぶ、ぜ――――んぶ! わたしが、未知流の良き理解者として教えてやる! 『見てくれに騙されるなって』って、訴えてやるんだから!」
泣き声を嗄らして、堂々と宣言。
作品名:Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(2) 作家名:永山あゆむ