Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(2)
左手で流れる涙をぬぐい、訴えかけるような目で、
「分かんないよ、あんたの気持ちが! 何で言わないの? 何で、逃げてしまうの? 何で、何で、その場の状況をあるがまま受け止めるのよ! 悔しくないの!?」
再び、未知流の顔をのぞく。
(言うな…)
「この際、ハッキリ言うけど、このままだとあんたは間違いなく、不登校してしまうわ! 同じ人として、差別する資格がない、醜いやつらによって! 夢とか目標とか、やりたいことがあるから総合高校(ココ)へ来たのに、『平穏』を言い訳にして奪われるのよ、何もかも! それもただの『誤解』という、ほんの小さなことで!」
(言うな)
「こんなに勇敢で、強い力があるのに……未知流が一人ぼっちで、これからバカにされるのが……わたしはすっごく悔しい。わたしはそう思っているのに、このままでいいの? わたしや、あんたの家族とか、周りが自分のことを大切に思ってくれているのに、自分だけ傷ついたふりをして……こんな平穏が、あんたが望む幸せなの? この、まやかしの学校生活(スクールライフ)が! こんなの、絶対に間違っている! これからもずっと、心を閉ざしたままで、自分だけ傷つく生活を送るつもり? 文句があるならなんとか言い……、」
「言うな――――っ!!!!」
作品名:Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(2) 作家名:永山あゆむ