Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(2)
痛い。
「……なんで、なんで分かってくれないのよ!?」
甲高い女性の声にハッとする。
ゆっくりと声の方へ、正面に顔を向ける。
そこに佇んでいるのは、怒りと悲しみが混ざった形相で、涙ぐみながら自分を見つめる麻倉音緒。
「わたしは! 未知流が考えていることは、絶対にしないわ! そんなバカどもと一緒にしないでよ!」
ネオは未知流に近づき、彼女の胸倉をギュッと掴む。
「あんたがこれまでどう過ごしたかは分んないけど、この数日間過ごしてハッキリと分かったことがあるわ!」
(言うな……)
未知流がそう思っても、ネオの中にある腹の虫は、収まる気すらない。
「なんで自分の気持ちを伝えないのよ! わたしもあかりんから噂を訊いたけど、誤解が生まれる原因は、あんたのその態度じゃないの!? なんで、強がって、平気でいられるのよ! あんなに……淋しい顔をしているくせに……」
ネオは体を震わせながら、俯く。
作品名:Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(2) 作家名:永山あゆむ