Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(2)
「な、なんでよ!?」
未知流はネオの甲高い声を無視し、ネオを横切り、自分の机に置いてあるカバンに袋を入れ、
「……ひとりでいたいから。あたしみたいなヤツがユニットを組むなんて……まったく、ごめんだよ!」
「未知流!」
ネオの叫びも空しく、未知流はそのまま教室を後にした。
学生たちが作ってくれる、孤独な橋を。
(ハァ~)
学生校舎の手前にある、職員校舎3Fの図書室で、未知流は意気消沈していた。夏でもないのに、溶けたアイスクリームのように長机に顔を俯せている。
何てことをしたんだと思う。いや、本当に。
本当はやりたい。ギターを弾き、自分を表現したい。家でやっているときから夢見ていたことだ。しかし、
そのことを伝えれば未来は変わるのだろうか。自分だけ、学生たちが見ている世界とは切り離された自分に、その資格はあるのだろうか。
作品名:Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(2) 作家名:永山あゆむ