Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(2)
わざとなのか、天然なのか、よく分からないが、
「世話ばっかりかけやがって」
未知流は憎まれ口を叩きながら、ネオの手を引っ張り、立ち上がらせる。すると、
「!」
ギュッと、ネオが未知流を抱きしめた。
な、なななな、なに!? この展開は!?
「ありがとう。助けてくれて。怖かったよぉ~」
えっ……えっ……。
未知流の胸の中で、ネオの中で我慢して押し隠していた感情が、涙となって弾けた。カッターシャツに、熱が伝わってくる。
「……」
なんて言葉をかけたらいいのだろうか。力を奮って感謝されたのは生まれて初めてだ。いや、他人に感謝されること自体が初めてだ。こんな嫌われ者に、そんな権利はないと思っていたから。いかに有能な頭をもっても、思考回路はぐるぐると回り続けるだけだ。
とりあえず、泣き止むまで待って、さっさと去ろう。と、思ったが、
「クスクス」
「!」
作品名:Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(2) 作家名:永山あゆむ