Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(2)
さすが、空手黒帯レベルの実力者と噂されるだけはある。
未知流は前へ出て、震えているヤンキーと対峙する。
「これで終わり?」
挑発とも、余裕ともとれる仕草で、ニヤリと笑みを浮かべる。
「きっさま……」
ヤンキーは歯をギシギシと音を立てる。その姿に、先ほどまでの余裕は感じられない。
「本当はここまでやりたくなかったけど、あんたに二つほど分からせるために、手荒に部下たちを片づけてあげたよ」
「……なんだと?」
「一つは、あたしの平穏な生活のジャマをするなということ。そして二つ目は、どんなに腕力が強くても中身が脆弱なやつは……張り子のトラなんだよ、おまえは!」
ビシッ! と未知流は顔に向かってヤンキーに指を差す。
指を差すという、なんとも傲然(ごうぜん)とした態度に、
「わ……わ……、」
漫画のように額に血管が浮き上がり、眉間にしわを寄せ、
作品名:Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(2) 作家名:永山あゆむ