Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(2)
ヤンキーのブサイクな嗤い声に、部下のチンピラどもがつられる。
未知流は、馬鹿嗤いしている彼らに怒りもせず、黙って見つめる。
「あーハラが痛ェ~。嬢ちゃん、悪くは言わねえ。今のうちに逃げな。テメエみたいなか弱い子を殴るほど、オレは悪くねぇかよ」
「兄貴の言う通り、この世界に入らないことが身のためですぜ」
ヤンキーとチンピラの発言に、「あたしもこの世界の人間じゃねえ!」とネオは、立ち上がって言いたかったが、
「未知流……」
彼女が右手を出して、
「ちょっと黙ってな」
と小声で伝えるため、ぐっとこらえる。
未知流は一歩前へと踏み出す。漆黒の髪を右手でかきあげ、
「何? 忠告をしたいわけ? あーあ、これだからおまえらは、いつまでたっても汚れたゾーキンなんだよ! ああ、汚い、汚い!」
目の前でヤンキーの手をさわった左手を、フーと息を吹きかける。
「な、ななな、何やってんのよ! 相手は、力も強いし、それに、それに、それに……」
彼女の後ろで慌てふためくネオを余所(よそ)に、
作品名:Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(2) 作家名:永山あゆむ