Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(2)
「こんの、アマァァァァァッ!!!」
ヤンキーの頭の血管が切れ、巨大な拳がネオの右頬を狙う。
ああ……もうだめだ。
でも……せめて、夢見るだけならいいよね。
このシナリオが……アイツによって書き換えられるという、それだけは。
(み、ち……る……)
ネオは彼女を思いながら、静かに目を閉じた。
もう、分かっているから。
もうすぐ、ネオの顔二つ分の鉄拳が来る。
もうすぐ。
……。
…。
「させるかよ!!」
毎日よく聞いている声が聞こえてくる。ツンとして、いつも怒ったような、でも心では助けているような、悲しそうな表情をしている、わたしよりちょっとだけ背の高い女の子の声が。
作品名:Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(2) 作家名:永山あゆむ