Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(2)
こんな感覚を感じるのは、小学五年生以来だ。あのときも、『やられる!』と確信してからだったけ。きっと、自分の奥底にある負の感情――『死ぬ』という極論がそうさせるのだろう。
ホント、バカだ。ただ突撃するだけの、ただのバカだ。
きっと彼女も、そう思っていたに違いない。
なんで、こんな危機にツンツンな彼女の表情が浮かぶんだろう。もう、こいつらに妨害されている時点で、とっくに電車に乗っているはずなのに。
わたしじゃ、アイツの心は開けなかった。
ならいっそのこと、ここで報いを受けたほうがいいのかも。小五のときは気づくこともできず、高校に進級してからは、クラスメイトに迷惑をかけている。共通することは、『他人の気持ちに気づけなかった』という点。
それでいい。
わたしの悪い癖を矯正するために。こんなヤツにやられるのは不服だが、しょうがない。
いつの間にか四人の子分どもが彼女を囲っている。皆、腕をポキポキ鳴らしている。
「くっくっく。覚悟はいいんだろうな」
ヤンキーが嘲笑とともに体罰の始まりを告げる。
「ヘン! 殴るだけに使われるアンタたちのなまくら拳なんか……痛みもかゆくもないわよ!」
ネオの悪あがきの挑発に、
作品名:Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(2) 作家名:永山あゆむ