Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(2)
ヤンキーから逃れようと努力するが、圧倒的な力の差でネオの手に絡みつく。
「おいおい、そんなエセ技でよくオレ様にたてついたモンだぜ。威勢だけじゃあ、どうにもならねぇってことを、教えてやるよ」
「!」
ヤンキーは無理矢理ネオの左手に手をかけ、右手と同じように、底知れない握力で左手も握りつぶす。
「うわああああっ!!」
その強烈な圧迫に、声が抑えられない。
歩道橋からその現場を見ている学生たちは、逃げることも前に進むこともできず、立ち竦んでいる。誰か助けに来てよ! とネオが叫んでも、とてもじゃないが駆けつけてくれる者はいない。なぜなら、総合高校全校生徒の八割が女子生徒であるし、残り二割の男子もほとんどが部活をしているので、帰宅部は非力で気弱な者しかいないのだ。
「うるあっ!」
「きゃあ!」
ヤンキーに勢いよくはたき落され、ネオは右頬を切ってしまう。血が、汗とともに流れる。
「……」
作品名:Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(2) 作家名:永山あゆむ