Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(2)
カッチーン! 誰が逃げるって?
内心はやりたくないが、自分がフッカけたのだ。矛盾した行動は、アイツへの恥だ。こうなったらやるっきゃない! ぶっとばして、アイツに追いつかないと!
「そんなわけ……ないだろ! このアリクイリーゼント野郎があぁぁっ!!!」
ヤンキーの挑発にノった(フリをした)ネオは、勢いよくヤンキーに向かって走る!
「やあああぁぁぁっ!」
足の速さを利用し、ネオ自身が風にそのものになるかのように、勢いよく全力の右ストレートパンチをヤンキーの腹に向かって打つ!
兄貴がプレイしている格闘ゲームのキャラクターがやっていた技を、イメージ通りにできた。ヤンキーの目は、ネオの速さについてきていない。
(よし、いける!)
ネオは命中すると確信した。
しかし、
「ヘン! そんなヘナチョコパンチ、効くわきゃあねぇだろ!」
気がつけば、ネオの右拳はギュッとヤンキーの大きな左手に包み込まれていた。
「……っ!」
掴まれたネオの華奢な右手が、ヤンキーの握力で押しつぶされていく。このままでは、この暴君の手によって、骨そのものまで粉砕されてしまう。
作品名:Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(2) 作家名:永山あゆむ