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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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無幻真天楼第二部・第三回・弐】坂田さん家のみつるくん

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「坂田のしゅじゅちゅ何時からだっけ」
「言えてねぇからして中島君…2時じゃなかったか?」
休み時間廊下で話す京助、南と中島
「…なんか変な感じ」
「うわぉ本間様;」
そんな三人に本間が言った
「四人でひとまとまりみたいなアンタたちが三人とか変な感じ」
「まぁ…まぁまぁ…うん…違和感はなんとなーくあるけどさ…」
「坂田早く退院できるといいね」
本間の後ろから阿部が言う
「お見舞い行ったんでしょ?」
「ああ昨日なー…今日ももしかしたら」
阿部が聞くと京助が答えた
「お守りとか持っていってあげたら?」
「お守りぃ?;」
「栄野のお母さんが祈りこめましたって言えば喜ぶんじゃない?」
本間と阿部に言われて京助が口の端をあげる
「あーそうかもね」
「ご利益あるなしはおいておいハルミさんがってことがまずだな」
「…しゃぁねぇなぁ…; んならまぁ…適当に持ってくか」
「頼んだぞ神社の息子」
中島が京助の背中を叩くとほぼ同時に授業開始のチャイムが鳴った

坂田が時計を見ると10時15分をすこし過ぎたところ
「…二時間目はー…なんだっけな…数学か…」
簡単な手術というだけあって特に大がかりな準備もない坂田が何度もベッドで寝返りをうつ
いつもより心臓の音が大きいような気がする
手か震えているような気がする
足の指が冷たいような気がする
不安で不安で仕方ない
『明日また来ます』
柴田の言葉が頭をよぎった
「遅ぇんだよ…馬鹿」
「すいません若」
軽く頭に置かれた手と聞きなれた低く落ち着いた声に坂田の目が大きくなる
「おはようございます」
「しっ…!?;」
がばっと起き上がった坂田がいつの間にかそこにいた柴田を見た
「おま…っ…いつの間に…」
「今来ました。姉さんは今先生の話聞いてますよ」
にっこり笑う柴田を見た坂田の眉が下がる
「大丈夫ですよ若」
「うるせー…」
柴田の大きな手が坂田の頭を撫でた
「若…?」
「うるせーってんだろ」
柴田の腰に抱きついた坂田が柴田の背広を掴む
柴田が坂田の背中をポンポンと優しく叩くと坂田が深呼吸した
「ちょっと甘えてくれましたね」
「うるせーってんだろがっ!!」
柴田を押した坂田が怒鳴ると病室の戸が開いた