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海野ごはん
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novelistID. 29750
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これは明け方のバーのマスターの物語

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彼女は仕事の事で悩んでいた。
自分は教師に向いてないとしきりに言ってた。
僕はしたいようにするのが一番などと、
彼女のこれからの人生も深く考えず、”自分のように自由に生きれば”と
無責任なアドバイスをお酒を飲みながら言っていた。
  

人の人生はどこで変わるか誰もわからない。
でも言えることは決定や進む道を決めるのは自分自身だ。
最後は自分にある。
しかし、僕はかなり酔った勢いで無責任な事を言ったみたいだ。
大体、教師と警察官は嫌いな僕だから、やめたほうがいいと言うのが口癖だった。
でもそれは僕の好き嫌いであって、
彼女のこれからの事なんて、これぽっちも考えていなかった。

  


それから1ヶ月後『先生はやめました』と彼女は報告をしに来た。
まさかと僕は驚いたが、彼女の潔さにも驚いた。
『仕事はどうするの?』
『さぁー、どうしようか?マスター、雇って・・・』
『ハハハ、一人で充分。君がいると僕の人気盗られちゃうから』
『そうね、そしたらマスターが失業ね。ハハハ・・・』
彼女の心の中は、もう新しい事に向き始めてるみたいだ。
明るい笑顔に僕は救われた。