【無幻真天楼第二部・第三回】きみぼく
守るとか守られるとか守りたいとか
そういう気持ちになるのは好きだから?
京助が緊那羅の頭に軽く手を置いた
柔らかい髪がサラサラと流れる
緊那羅がゆっくり京助から体を離し座った
「落ち着いたか?」
聞くと緊那羅が頷く
「そか…」
「…ぁ…」
起き上がった京助に緊那羅が何か言いかける
「ん?」
それに気づいたのか京助が緊那羅を見た
緊那羅の口が動いて
声が出た
緊那羅の言葉を聞いた京助の動きが止まって目が大きくなった
そんな難しい言葉じゃない
でも大切な言葉
「…好き…だっちゃ」
作品名:【無幻真天楼第二部・第三回】きみぼく 作家名:島原あゆむ