「鎮魂」を書くに当たって
涙
いろんな話を聞きます。
悲しい話が多いです。
あの日、親戚を半分以上亡くした人は、一年で、二桁のお葬式を出したそうです。
たった、一年です。
葬儀屋さんじゃあるまいし、一年で二桁のお葬式なんて異常です。
その異常が、去年の普通だったのです。
鍛冶場泥棒なんて当たり前です。
亡くなった人の懐を探って、中身だけ失敬するやつ。
亡くなった人の指から、くすねるやつ。
亡くなった人の指ごとくすねるやつ。
誰もいない家から、現金を盗むやつ。
二階に避難している人がいる家の一階から使える家財を盗むやつ。
避難所での、盗難事件。
避難する人々を、後から次々と跳ね飛ばしながら、避難する車。
その凄惨な殺人現場を、すべて津波が洗い流していったのです。
少ない油を奪い合って喧嘩もありました。
グーで殴るんですよ。グーで。
パーじゃないんです。どれだけの思いがこもっているのか分かる気がします。
それだけ、「油」が足りなくて、そして、必要だったんです。
すべて、日本人のやったことです。
都合の悪いことは、中国人のせいにしたがりますが、日本人が、やったんです。
他県から流入した、ボランティアを装った窃盗団が、いるんです。
人の痛みを分からない人は、いつか罰が当たるといいよ。
2012.7.15 追記
作品名:「鎮魂」を書くに当たって 作家名:紅絹