鎮魂
びっくりしたのは、津波がくるからって、急にサイレンが鳴り始めたから。
しょうぼうだん のおにいさんが、ハッピ着て、すごいあわててお知らせにきてくれたのよ。
玄関に回って、外からドアを開けたら、がつがついいながら何とか開いたの。
じしん の前は、軽く開いてたのにね。
あとで、じじにお願いして、直してもらわなきゃ。
あたしの靴も、靴箱の下敷きになってたけど、あったし、かかちゃんやばばちゃんも、ちゃんと自分のお靴をはいて、あたしたちは、避難することになったの。
さいしょね。
車でいこうって行ってたんだけど、避難訓練では、だめだってことになったみたいなんだよね。
かかちゃんはおとうとをだっこして、いつの間にか、弟のオムツとかが入ったかばん背負って、あたしは、ばばちゃんとおててをしっかり繋いで歩き出したの。
集会所は、そんなに遠くないし、だいじょうぶだね。って。
あ! そうだね!
かかちゃんがいってたみたいに、「だいじょうぶ」だね!