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Blood Rose

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ゆっくりと撫でながら眠りに着いた。

と言うのも、
ライアの首筋には小さな針が突き刺さっている事からルイスによって強制的に眠らされたのだろう。

首を引き、
這い出る様にして抱かれた腕から抜けると、
引き攣った笑みを残してその部屋を後にした。

向かうは父親の寝室。

ルイスは完全に無音で自室へ向かうと、
棚から瓶と鉄針を取り出した。

その中から数個、
緑色の液体が入った瓶を選んで注射器に詰める。

赤褐色の液体も数本詰めて腰に吊った。

恐ろしい程冷たい目をしていて、
瞳の色が極度に濃くなっている。

表情を全く動かさずにその場を後にすると、
母親の部屋の前で停止した。

小さく戸を開けると小瓶の栓を抜いて室内に置いた。

空気に触れると内容液が見る間に蒸発していく。

これで母親は朝までは何があっても起きないだろう。

そっと戸を閉めて今度こそ父親の部屋に向かう。

誰も居ないかのように静かだ。

しかし豪華な天井付きのベッドには奴が居る。

毒針を投擲してもよかったが、
この手で刺し殺す感触が欲しい。

父親の趣味なのか、
高価そうな短剣が壁に飾ってあったので拝借する事にする。

足音と気配を殺しながら近付き、
ゆっくりと片手を振り上げた。

たとえ血が繋がっていようと躊躇する理由は見当たるはずもなかった。

首に突き立てた瞬間、
鮮血が飛び散ると同時にルイスは冷酷な笑みを浮かべていた。

が、
一瞬にして顔色が変わる。

突き刺さったままの短剣から手を放して後ろに下がりながら鉄針を抜く。

「ルイス、上達したじゃないか」

一瞬体がびくりと震え、
顔面蒼白になりながらも必死に踏み止まる。

声が耳元で聞こえたのだ。

次の瞬間、
左右の手から得物を叩き落とされ、
ベッドに横たわるダミーの上に組敷かれた。

見事な事に腰にある火炎瓶の導火線も全て抜かれている。

「ライアを好きにはさせん」

無理矢理振り向きながら殺意に満ちた表情で睨み付ける。

「ふはは……楽しみで仕方ないよ。エルフは良い身体をしているからな」

「何ならわたしが死ぬまで相手してやるぞ、この好きものめ」

蹴ろうとして足を振り上げたが、
腕を捻られて苦い表情と共に抵抗を止めた。

作品名:Blood Rose 作家名:日下部 葉