Blood Rose
「いっ、や……ぅっ…ッ……げ、がっ!?」
か弱い少女には小さく呟き、
首を振る事しか出来ない。
薬液が注入された直後に目眩と頭痛、
吐き気と痛みが全身を駆け巡った。
注射器を抜いた人物は直後、
ライアの口へ布の塊を押し込む。
間違って舌を噛んでしまわないようにする為だ。
ライアはそれを吐き出す力すら無い程に脱力し、
ただ苦痛に耐え続けるしかなかった。
ルファスと薬師は布越しに苦悶を漏らす少女を置き去りにしてその部屋を後にする。
作品名:Blood Rose 作家名:日下部 葉