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最後の魔法使い 第六章 『決断』

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「変人、って言われる方が多いかな。」苦笑しながらジュダが言った。「誰かが私のこと言っていたのか?」
アレンはうなずいた。「キャットソンの工場に、ロウアーウェストで学生時代に親友だったやつと会ったんです。それで、ジュダさんの話になったんですよ。あの革表紙のノートを、わざわざ刻印を確認して買っていくお客はそういないみたいですよ。」おじさん、自分が変な人だってわかってるんだなぁ!おかしくて、アレンはくすくすと笑った。
「親友?」
笑みを浮かべたアレンとは反対に、ジュダは心配そうに眉をひそめた。無理もない、とアレンは思った。いくら親友といっても、一言自分が『魔法使い』であるとこぼしてしまえば、敵になりうることもあるのだから。自分の素性は、それだけの危険を持ち合わせているのだ。
「大丈夫です。」取り繕うように、アレンは言った。「『魔法使い』ってことは隠しましたから。」
ジュダはほっと胸をなでおろした。アレン以上に神経質になっているのかもしれない。「なんて言う名前の子なんだい?」
「キース・アストルっていうやつです。」
「へぇ、あの子、君の友達だったのか。」なかば嬉しそうにジュダが言った。「何度か話をしたけど、頭が切れる子だと思ったよ。学生時代はさぞかし勉強家だったろう。」
アレンはうなずいた。「古代魔法だけ、俺の方がキースより成績良かったんですけど、あとはいつもクラスで一番でした。」