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出会いは衝撃的に(前半)

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「救急車を呼びますか?」
「もうすぐ到着することになっています」
浅野がそう応えたとき、救急車のサイレンは、先程から既に聞こえていたような気がする。それは次第に接近して来ているようだが、渋滞のせいと、ドライバーたちのマナーの悪さのために、到着までの時間がかかっているのだろう。
「車は会社の人が取りに来てくれますね?」
 若い警察官は、如何にもそれが当然だという口ぶりである。
「会社には宿直の人がひとりだけですから、ここに置いて行くしかありません」
「そうですか。現金や貴重品を車に残さないで行ってください。私の責任で駐車違反にはしません」
 精悍な印象の警察官の宣言の直後に、漸く救急車が到着した。間もなく救急隊員が何か樹脂製のもので浅野の首を固定し、救急車の中まで腕を掴んで導いた。そのとき、首だけではなく、腰にも強い痛みを浅野は覚えた。
 乗り込むとサイレンを鳴らしながらすぐに動き始めた救急車の中の椅子の上で、浅野は血圧を測定されたりしていた。寝かされることはなかった。
「痛いところは?」