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出会いは衝撃的に(前半)

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 浅野はかなり驚いていた。
「そういう冗談、流行ってるのかな?まあ、ジョークとしては面白いね」
「私が勤めている病院で再会したでしょう」
「あのときはねえ、夢かと思ったね。まさかと、思った」
「策略」
 浅野は更に驚かされた。
「……それは、どういうこと?」
「わたしが電話で、搬送先の病院を、警察を通して指定したんです。救急隊員の人にそれを伝えて欲しいって……」
 浅野は目眩を感じた。
「そ、そんなことできるんだ」
「それから、あの病院の整形外科医にも、わたしが勤めている森本整形外科歯科内科を紹介してほしいって、頼んだの」
「そこまで聞くと、ちょっと……」
 正直なところ、信じられない話である。
「気が付かなかった?紹介状を書いたあの整形外科医は、わたしの病院の院長の息子さんよ」
「ということは、あの医者は自分の父親の病院を、俺に紹介したということなんだね。でも、いいんじゃないのかなぁ。おかげで俺は美絵さんとまた会えたんだからね」
「わたしを許してくれますか?」
「オーケーですよ。ただ、まだ首と背中と腰が痛いんだ。保険屋の女性が仕事中に何度も電話してくるものだから、いちいちどこがどういう風に痛いかを説明するのが面倒になっちゃってね。それに、嘘をついて痛くもないのに痛い痛いって云ってるみたいに、そんな風に思われそうな気もしてきてね、落ち着かなかったんだ。それで治療を打ち切って示談書に署名捺印したわけ」
「まだ痛いんですか?ごめんなさい」