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出会いは衝撃的に(前半)

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「そうですかぁ。いいお仕事じゃないですか」
「ところが、それ以上にきれいなひとと、同じ日に出会ったんです」
「そんなことってあるんですねぇ。そのひとも女優さん?」
「それがねぇ、あとで判ったんですが、理学療法師の女性だったんです」
「……浅野さんって、ジョークの天才なんですね!」
 その明るい声は美絵が笑っていることを物語っている。浅野はその笑顔が見えなくて残念だった。
「まあ、そういうことにしておきましょうか」
「今度はうつ伏せになってください」
 腰が痛いのでそうするのには少しだが苦労した。小さな枕にタオルを巻いたものに、浅野は額を載せた。
「村田さんは、芸能界とは無関係ですか?」
「はい。無関係です……ただね、ばかな妹がミス日本ユニバースに、勝手に応募しちゃったことがあったわ。でも、それはキャンセルしたわ。わたしね、実は写真家になりたかったの」
 浅野は腰の周辺や首の周辺、背骨と肩甲骨の辺りなどをマッサージして貰っていた。
「写真ですか……さすがですね。随分楽になってきました。二週間以内に全快しそうな気がしますよ」