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出会いは衝撃的に(前半)

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「浅野さん。向こうへ行ってくださいね。立ち上がれますか?」
 いつの間にか美絵がすぐ傍に立っていた。
「はい。大丈夫です」
 浅野は少しだけ腰に痛みを覚えたが、立ち上がることができた。ベッドとベッドの間を縫うようにして美絵のあとを追って行った先は、驚いたことに個室だった。そこにも幅の狭いベッドが置かれていた。
「こんにちは。理学療法師の村田美絵と申します。じゃあ、まずはここに腰掛けてください」
「はい。よろしくお願いします」
 浅野はベッドに腰を下ろした。
「この前はわたしの不注意で、ひどい目に遭ってしまいましたね。ごめんなさい。誠心誠意、治療に当たらせていただきます」
「追突事故は一番多いそうです。でも、一度やってしまえば、二度とないことです。ちょっと間違えば、私が追突したほうになっていたかも知れません。プロドライバーの私こそ、気を付けないといけません。教訓になりましたよ」
 美絵は背後から浅野の首の周辺を優しく揉み始めた。