われてもすえに…
「ずっと、俺の小姓で居てくれ! お願いします!」
「はい……」
「でもな、俺ばっかりもダメだからな。奥さん可愛がって、幸せに……」
「はい……」
ダラダラ続くその二人の絡みを見ていた絢女は笑いだした。
「本当、面白いわね。頑張ってね」
「はい」
政信の酔いがさめ、宴もたけなわとなったころ、祝言は終わった。
小太郎と政信は途中まで一緒に帰った。
喜一朗の面白話をし合い、笑いあった後互いの家へ別れた。
政信は手を上げ、小太郎に言った。
「じゃあな! また遊ぼうな!」
そんな彼に、小太郎も元気よく返した。
「はい! また!」
……しかし、その『また』はなかった。