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喜世
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われてもすえに…
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「……そうじゃ、そなたの名は、『お藤』にしよう」
「ニャア……」
猫は機嫌よさそうに鳴いた。
あたかも、『お藤』という名を気に入ったような鳴き方だった。
仔猫を撫でながら、蛍子は贈り主の男の顔を思い浮かべた。
「藤次郎……。『いつか必ず』は、本当に来るのか?」
別れた際の彼の不思議な言葉に、蛍子は賭けた。
作品名:
われてもすえに…
作家名:
喜世