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盟友シックス! -現実と幻想の狭間で-

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第4章 燃える名古屋



「名古屋のほうでも動き出したみたいだね」
今日は京都で動き出してから1週間と2日後の金曜日
名古屋にて竜が破壊活動を開始したのだ
「一週間前の俺たちとは違うからな サクッと一狩行くか!」
「何か引っかかる表現だけどそうだね 行こうか」
俺たちは名古屋へと向かった

「こっちもひどいな…」
すでに名古屋中が火の海になっていた
「さっさと片付けないとまずいな」
飛び回る竜を見ながら尾蔵がつぶやく
「作戦はこないだと一緒でいいな いくぜっ!」
山村が初弾を放ちそれに反応した竜がこっちに向かってくる
「照準良し、風向き良し… そーれっ!」
俺は向かってくる竜に一発打ち込み素早く防御体制に入った
「グワァァァァァァ!」
「その程度でぇ!」
俺は前と同じように攻撃を受け流していたのだが今回は何か違った
ジュォッ!
音と煙を上げて剣に穴が開く
「っ!強酸!?」
爪先から液体が滴っておりそれが地面に落ちるたびにジュワッと音を立てて穴が開く
「喰らったら間違いなく死ぬ…」
「宮寺っ!」
山村が刀をこっちに投げる
「おうっ!」
俺は受け止めて構える
「どうする…アーマーに喰らっても耐えられるのは一発、隙間に入ったら即死…」
俺は竜と対峙したままタイミングをはかっていた
「一発で決めたら勝ち…喰らわなかったら負けはない…」
竜と俺の睨み合いが続く中仕掛けたのは来村だった
「ギャァッ!?」
竜の叫び声が上がり足先が凍り付いていく…
「そうなったら強酸は使えないだろっ!」
突っ込んだ俺が甘かった
「ギャォッ!」
竜の手の爪から液体が噴き出す
「うわっ!?」
液体は俺の腕に直撃した
「ぐわぁぁぁぁぁっ!」
焼けるような痛みが広がっていく…
「宮寺っ!」
長谷崎が素早く引きずってその場から離してくれたが俺は動くことができなかった
「うぁぁっ…腕がっ…」
俺の腕は完全に溶けることはなかったが強酸を喰らったあたりの肉がなく完全に骨が出ていた
「大丈夫か宮寺っ!」
長谷崎が声をかけてくれる横で来村が何か魔法を唱えていた
痛みは徐々に引いていくが腕は全く動かない
「…行かないとぉ 俺だけへばってるわけにはぁ…」
「まだ動くな!腕が取れても知らないぞ!」
長谷崎が俺を引き止めている向こうで犬射や尾蔵の声と剣と爪がぶつかる音が聞こえる
「ちっ!宮寺いいな、動くなよっ!」
長谷崎はハンマーを持って駆け出していった
俺はしばらく言われたとおりに寝ていたが痛みが完全に引いたところで来村に尋ねた
「俺の腕はどうなってる?」
「一応肉の固定はしたけど溶かされた所の再生はまだ…」
「腕が取れることはないんだな?」
俺が立ち上がろうとすると
「まだ動いたら…」
「仲間が戦っているんだ 俺だけ寝てるわけには行かないよ」
「でも左腕は動かないんだよ?」
「俺は右利きだ」
「それにもう1回喰らったら腕が残る保障もないし…」
「今は義手の技術も発達してるんだ 行くぞ」
「あっ!待って!」
俺は来村が止めるのも聞かず走り出していた

向こうでは4人が必死の交戦を続けていた
「ぬぅっ!」
4人の武器はすでに強酸でボロボロになっていて竜にダメージを与えることも難しくなっていた
「宮寺!寝てろって言っただろ!」
こっちに気づいた長谷崎が叫ぶ
「そんなボロボロの武器じゃまともに攻撃もできないだろ!」
俺はそう言うと犬射に耳打ちした
「一発でいいから竜の気を引いてくれ」
「お前はどうするんだ?」
「一撃で首を落とす」
「それが出来たら苦労しないだろ」
「やってみなきゃわからないだろ」
犬射はしぶしぶも気を引くために攻撃に入った
「それそれっ!」
犬射のほうに完全に意識を向けた竜に向かって俺は斬りかかっていた
「グワァッ!?」
竜が気づいたときにはもう遅かった
「セイヤーーーーーーーーーーーーーーッ!」
俺は竜の首目掛けて斬り上げ刀は竜の首に刺さった
「ギャァァァァァァァァァァッ!」
おそらく頚動脈が切れたのだろうものすごい勢いで血が噴き出し竜が激しい悲鳴を上げる
しかしそれも長くは続かなかったすぐに血は止まり竜は膝を折って倒れた
「やった…のか?」
俺は竜の首と血に染まった刀を見ながら静かに立ち尽くしていた
「宮寺君…大丈夫?」
竜狩がすぐに治療に入る
「血ってこんなに噴き出すもんなんだな…」
俺は半ば放心状態だった…