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盟友シックス! -現実と幻想の狭間で-

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第3章 古の都へ愛を込めて



「ついに最初のやつが動き出したよ 準備はできてるよね?」
「当たり前だろ」
「じゃあ行こうか」
俺たちは竜狩の開いたゲートを通って竜の所へと向かった…

「グォォォォォォォッ!」
竜が吼え空を飛びまわる中人々は大混乱に陥っていた
「第一戦車小隊、撃てー!」
「戦闘機隊は下がれ!敵は空にいるんだ!」
自衛隊も必死の抵抗を続けているが竜に全く歯が立たない
逃げ惑う人々を掻き分けつつ俺たちは前へと進んでいた
「まずは俺が仕掛ける!残りは後から続けっ!」
山村が銃を撃ち竜に命中させる
銃弾は竜の鱗に刺さった状態で爆発し竜の体から血が噴出す
「ギァオォォォォォォ!」
怒った竜が撃ったやつが俺だと勘違いしたのか一直線に襲い掛かってくる
「ちぃっ!」
俺はすばやく剣を構え防御の姿勢に入った
「右から来れば左っ!左からなら右っ!」
俺は次々と攻撃を受け流す
「隙ありっ!」
犬射が素早く鞭で攻撃し竜をのけぞらせると
「オッケーいただきっ!」
突き出された尾蔵の槍が翼を貫く
「ギャァァァァァァ!」
痛みと怒りで狂ったように竜は俺たちを跳ね飛ばしなお俺に襲い掛かってくる
「うぉぉっ!」
何とか攻撃を受け流すもそのパワーとスピードに俺はだんだんと追い詰められていく
「のわっ!」
俺がついに剣を弾かれその巨体の前に生身を晒すことになってしまった
「…やられるっ!」
鋭い爪で八つ裂きになる自分の姿が頭をよぎったそのときだった
「宮寺!」
「健!?」
山村が俺を突き飛ばしその爪をもろに喰らったのである
「うわぁぁぁっ!」
山村は10メートル程吹き飛ばされ竜の足で拘束された
「くっそぉ…ここまでかよぉ…」
竜が山村に火を噴こうかと言う所に俺は銃弾を打ち込んだ
「ギャオァッ!」
竜がひるんだその隙に山村は刀で竜の足を斬り脱出した
「グ、グォォォォォォォォォ!」
竜は傷だらけのまま飛び立ち俺たちに向かって火を噴いた
俺たちはかわすことができたが周りにあった車が誘爆し煙で竜が見えなくなってしまった
「まずい…どこだ!?」
真っ暗になっている周りを見渡しながら俺が武器を構えていると
「うごぁっ!」
尾蔵の叫び声が響く
「のわぁっ!」
犬射の声も聞こえる
そんな中俺は直感的に悟った
「次は…俺だ」
俺は立ち止まり静かに耳を澄ませる
燃える音、誰かの叫び声、爆発音…いくつもの音が交錯する中俺は一つの音を感じ取った
「後ろかっ!」
俺が振り向き剣を構えると同時に竜が襲い掛かってきた
「そーれっ!」
俺は竜の攻撃を受け流し剣を突き刺す
「ギョワァァァ!」
竜は振り落とそうと体をよじるが俺は耐えて背中に上がる
「これで、終わりだっ!」
俺は尾蔵の貫いた側の翼を切り落とした
真紅の血が噴出し声にならない悲鳴を上げた竜は切り落とされた側を下にして地面をえぐりながら50メートルほど滑走して止まった
「あわわわっ!」
もちろん振り落とされて地面にたたきつけられ起き上がった俺にはまだ抵抗を続けようとする竜の姿があった
「えいっ!」
突然竜の足元に魔方陣が現れそこから出た青い鎖が竜を締め付ける
どうやら来村が拘束魔法を使ったようだ
もがく竜に向かって俺の後ろから歩いてくる影が一つ
「散々いたぶってくれた礼をしないとねぇ」
長谷崎である
俺にすら強く感じられる殺気を竜も感じ取ったのかさらに強く抵抗するも鎖は外れない
「そりゃぁっ!」
そこから先は見ていられなかった
ドゴッグシャッバキッ…骨が砕け肉が裂ける音と竜の悲痛な叫び声とが入り混じった阿鼻叫喚…
その音が止んだときそこに竜の姿はなく血にまみれ所々ひしゃげた哀れな肉の塊が転がっているだけだった
その悲惨な光景とは対照的な笑顔を浮かべた少女…その手が血みどろのハンマーを握っている光景はしばらく頭から離れそうになかった
「お疲れ様」
戦いが済んだ俺たちの前に竜狩が姿を現す
「お前どこ行ってたんだ?」
「こっちの世界には干渉するなって言う命令だからね」
山村の質問に笑顔で答えた竜狩も長谷崎の笑顔とその奥に転がっている巨大な肉の塊とハンマーを見て何があったのか悟ったのだろう 急に真剣な顔つきになって
「死者なし…6人全員生還か…予想以上だな」
「傷だらけだけどどうすんの?」
「ああ、こっちで手当てするよ」
竜狩はけが人の手当てに入った
俺たちは無事最初の試練を乗り越えたのだった…