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数式使いの解答~第一章 砂の王都~

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「防護用の数式を書いた盾で街をガードするのが基本だ。あれを化け物だとかそんなレベルで考えるな。あれは天災だ。天災に対する方法はただ一つ、やり過ごすことだ」
「だが、それだけでは守りきれんぞ」
「だからこそ、盾役以外の奴らは、あれの進攻ルートをできる限り制限する。うまくいけば、ほんの二時間でロピタルは街の外に出る」
「最悪は?」
「今夜一晩ってところだ」
「ふむ……」
 一息で一気に作戦を決めていく。
 今は一分一秒が惜しいのだ。
 逡巡もつかの間、武官は軍全体に指示を出した。
「全隊、攻撃体勢を解除! 至急防護用の大盾を持って来い。数式を扱える者は防護の数式を一つでも多く書き込め。盾を持った者は街を守れ! 騎士として、その身をもって盾となるのだ!」
「残りの者たちは!?」
「己の力を振り絞ってあれの進攻方向を変えさせろ! 邪魔くせえ化け物を、街の外へと放り出せ!」
 指示を元に、兵が動く。そして、誰からともなく謳う。
 とても短く、自身を鼓舞するために――。
「"我等ダランベール騎士軍の盾を見よ!"」
「"我等は騎士、砂の守り手は今日も往く"」
「"鳴らすは軍靴の足音、進むは栄光への一歩"」
「行くぞダランベール騎士軍! 作り物ごときがなめるな!」
 絶大なる威力を誇る数式砲すら防ぎ、彼らの戦いは始まった。