母から私 私から娘へと ~悲しみの連鎖~
「そう。実は私ね、会ったんよ。お母さんの妹という人に」
「ふうぅーん……」
父は顎に手を沿え、どう返事したらいいものか、という顔をした。
「でね。電話番号を教えてもらったんよ」
「……」
「私に会いたがってるんて。会いに行って来てもええ?」
迷ってる父の顔をまともに見ることができなかった。ひどいことを言っていると自分でも分かっているから。
しばらく考えた父が搾り出すように言葉を並べた。
「行って来たらええ。会いたいんだろ?」
「うん……お父さん、ごめんね」
私は俯いたまま答えた。
作品名:母から私 私から娘へと ~悲しみの連鎖~ 作家名:ゆうか♪