小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

母から私 私から娘へと ~悲しみの連鎖~

INDEX|17ページ/46ページ|

次のページ前のページ
 

 母はまた約束を破った。これが二度目だった。そして永遠に三度目はないのだ。私は泣いた。次の日も次の日も……。
 母の葬式に行きたかったけど、伯父さんが行かせてはくれなかった。父の意向だったのだ。仕方がなかった。
 こんなことになるのなら、あの時母が私にくれると言ったあの着物、貰っておけば良かった。そしたら母の形見になったのに……そう思ってももう遅かった。
 以前私が遊びに行った時、母はまるでこうなることを知っていたかのように、
「どうせお母さんが死んでも、圭子ちゃんはお葬式にも来てくれんのやろうねえ。
お線香も上げてはくれんのやろうねえ」と言っていた。
「そんなことはないよ。ちゃんと葬式にも出るし、お線香だって上げるよ。でもそんなこと言わないで長生きしてね」私はそう言ったのに……。
 母の言ったことが本当になった。私は泣きながら心の中で母に叫んだ。
『なんで約束破ったんよー! なんでよー! なんでよう……』
『約束したのにー あんなに約束したのにぃーーー』
 その時私は、母に二度捨てられた――そう思った。わずか半年ちょっとの間に、愛する人を二人も失った私は、
『私の愛する人は、みんな死んでしまうのかもしれない』そう思うようになった。