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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【無幻真天楼第二部・第二回】星が丘

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「ただいまーっと」
京助がガラガラと玄関を開ける
「おかえりー」
「おかえりなさいませ」
「おかえりだっちゃ」
「おかえり」
途端に返ってきた沢山のおかえり
パタパタと足音が聞こえ姿を見せたのは緊那羅
「おかえりだっちゃ」
「二回目」
「あはは」
戸を閉めて靴を脱いだ京助と緊那羅が並んで歩く
「おかえり京助っ」
「義兄様おかえり」
「おー」
廊下で悠助と慧喜にもおかえりをもらった

なんだろう
おかえりと言ってもらえるとほわっと温かくなる気がする

足を止めた京助が何気なく緊那羅を見た
「…ただいま」
「へっ?; あ…おかえりだっちゃ…」
「おう」
きょとんとした緊那羅が言ったおかえりを聞いた京助が満足気に笑うと自室に入る
しばらく止まっていた緊那羅も京助の笑顔を思い出して笑顔になった
「あ緊那羅!!」
引き換えそうとした緊那羅を京助が呼ぶ
「腹減った」
「なるべく早く作るっちゃ」
自室から顔だけを出した京助と笑顔で会話した緊那羅が小走りで台所に向かった
制服を脱ぎながらふと京助が思い出したのは中島のこと
今日は蜜柑と林檎は修学旅行で看護師の母は夜勤だと言っていた
父は単身赴任で家にはいない
ということは中島は家に一人でいるということになる
「泊まりにこいとかいえばよかったかな…」
おかえりを言ってくれる誰かがいるということ
それがどれだけあったかい気持ちになるか今実感したばかりで
「今からでも電話して呼ぶか…」
ベルトをはずしながら京助が呟いた