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吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
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うこん桜の香り

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百合が7歳の時に百合の父は死んだ。百合は納骨の時まで泣き続けた。
「百合いつまでも泣いているんじゃないよ」
この川に来た時、母に言われたことが思い出された。
逆さ川を覗いた。あの頃の水草の生えた清流ではない。
橋を渡ると、波子の墓である。
波子の墓には萎れた花があった。
周りを掃除して、新しい花を入れ、ケーキを供えた。線香に火をつけ、手を合わせると、蝉の声が、波子の声のように聞こえ始めた。
作品名:うこん桜の香り 作家名:吉葉ひろし